数学

選択公理の本(書評ではない)

読んだ(または、眺めた)ことのあるものを並べておきます。Axiom of Choice (Lecture Notes in Mathematics)作者: Horst Herrlich出版社/メーカー: Springer発売日: 2006/04/15メディア: ペーパーバック クリック: 1回この商品を含むブログを見るThe Axiom …

教科書(近刊)

なんだか、面白そうな教科書が三冊も近刊です。 『数理論理学』(戸次大介) 東京大学出版会のこれから出る本のページに、数理論理学の教科書があがっています。数理論理学作者: 戸次大介出版社/メーカー: 東京大学出版会発売日: 2012/03/01メディア: 単行本…

ETCの項目がさらに増えた

Encyclopedia of Triangle Centersの項目数が2011年12月26日付けで、3910になっています。2011年12月21日付けから128増えています。三部構成になる日も近いかも。ところで、なにやらページがおかしくなっているようですね。タグが閉じていないところがあるし…

ETCがついに二部構成に

Encyclopedia of Triangle Centers (ETC) が、2011年12月21日付けで、ついに二部構成になりました。ETCは、三角形の中心の事典です。エバンズビル大学の Clark Kimberling 教授が、大学内と思われるURLのWWWページで公開しています。三角形の中心の解説つき…

数理論理学の三大基本定理を扱う順番

学生向けレクチャーの計画の再検討が必要かと弱気になってきたので、手許の教科書を調べてみました。Logic and Structure (Universitext)作者: Dirk van Dalen出版社/メーカー: Springer発売日: 2011/10/30メディア: ペーパーバック購入: 1人 クリック: 20回…

数理論理学の三大基本定理の難しさ

「完全性定理って、そんなに難しいものなの?」に自分で回答していたことに、いまごろ気づきました。http://taurus.ics.nara-wu.ac.jp/staff/kamo/shohyo/logic-1.html から引用 数理論理学を学ぶために最低限必要なセンスが三つある。 シンタックスとセマン…

完全な理論の作り方

無矛盾な一階の理論が以下の二条件をみたすとする。 任意の閉原子論理式に対して、 または が成り立つ。 の形の任意の閉論理式に対して、ある閉項が存在して、 が成り立つ。 このとき、は完全な理論である。なぜならば、任意の閉論理式に対して、条件2を繰り…

本務先のページにいずれ書き加えたいこと(おまけ編)

本務先の研究室サーバに置いている「書評」のページの「おまけ」の部分に書き加えたいけど、必要な調査ができていないために、まだ、書けないでいることがある。「よくある間違い」のベージに「体系に数学的帰納法が入っていることが不完全性定理の本質であ…

本務先のページにいずれ書き加えたいこと

本務先の研究室サーバに置いている「書評」のページに書き加えたいけど、まだ考えがまとまっていないことを、とりあえず、ここに書いておく。考えがまとまったら本務先ページに反映させたい。数理論理学を学ぶために最低限必要なセンスが三つあると指摘して…

完全性定理って、そんなに難しいものなの?

小島寛之さんも、理論の完全性と理論のモデルに対する完全性(証明論的完全性と意味論的完全性)を混同しています。「ゲーデル本食い歩き - hiroyukikojimaの日記」より、該当部分を引用します。 命題論理の場合、「命題論理の完全性定理」によって、正しい…

説明いろいろ

具体例? 学生さんにとある証明を解説していたときのことです。「『PでありQでないものは存在しない』と『Pであるものは必ずQである』は同じことだよね」と説明してもわかってもらえませんでした。そこで、「『タクシー運転手で自動車運転免許を持たない人は…

続々 Kenmotu Point について

というわけで、Kenmotu Point のかわりに Kenmochi Point を普及させるため、この点についての研究を始めました。なんでも良いので、この点についての研究成果をあげ、論文を書きます。最初の論文では、表題には Kenmotu Point も Kenmochi Point も入れませ…

続 Kenmotu Point について

前回(2010年7月30日)のつづきです。「Kenmotu Pointの由来は剣持章行らしいのだけど、それなら Kenmochi Point と呼んだほうがいいんでない」のつづきです。出典に該当する本が『探[臣責]算法』([臣責]はこれで一文字)であることは、確実です。「東北大…

Kenmotu Point について

Wolfram MathWorld に「Kenmotu Point」なる項目があります。そこには命名の由来は書いていないのですが、参照先の Encyclopedia of Triangle Centers の項目「X(371) = KENMOTU POINT (CONGRUENT SQUARES POINT)」には、 The common point, X(371), may hav…

続々: ヘビサイド関数を作る

0で未定義になることを気にしなければ、こんなシンプルなのもあります。 絶対値を使う方法と、本質的には違いはありません。 なので、絶対値と最大値はある意味で同等のものといえるからです。

続: ヘビサイド関数を作る

昨日の例が二重の極限になっていてしかも極限が交換可能でないことを美しくないと感じるかたには、こちらをどうぞ。 これも、 をみたします。

ヘビサイド関数を作る

で、 を作ることができます。 牛刀ですが、絶対値は使っていません。id:igaris:20100327:1269668945 では定義域をとして考えていますが、最初から定義域をにしてヘビサイド関数を作りました。

用語―― intouch triangle

三角形の各辺と内接円の接点を結ぶ三角形に名前がついていないかと調べたら、ちゃんとありました。英語では、intouch triangle とか contact triangle とか Gergonne triangle とか呼ぶようです。日本語での呼び名は、まだ、みつけていません。ご存じの方、…

Pollock予想

職場で低価格PCサーバを買ったので、まずは性能検証としてPollock予想の数値的検証プログラムを走らせています。Pollock予想任意の正整数は5個以内の正四面体数の和として表すことができる。有名な未解決問題です。番目の正四面体数をと書くとして、正整数を…

The Möbius band and the projective plane

射影平面は円盤とメビウスの帯を境界で貼付けたものであることを視覚的に説明する作品に出会いました。わかりやすい。

すべての面が合同な多面体

Yahoo!知恵袋でおもしろい質問をみつけたのだけど、あちらにアカウントがないので(取る意志もないので)、こちらで勝手に話題にします。 どの面もすべて合同 どの頂点にも、面が同じ数だけ集まっている のうち、条件1を満たし条件2をみたさない多面体には何…

照井先生のテキスト

照井一成先生がこの夏に京都大学数理解析研究所の数学入門公開講座で使ったテキスト(PDF)です。私があそこの学生だったころと変わっていなければ、たぶん、この公開講座は高校の数学教員が普通にもっている予備知識ぐらいが前提です。その中で照井先生のは、…

『数理論理学』入手前の期待(書評ではない)

数理論理学 (現代基礎数学)作者: 鹿島亮出版社/メーカー: 朝倉書店発売日: 2009/10/01メディア: 単行本購入: 11人 クリック: 367回この商品を含むブログ (5件) を見る目次を見ると、完全性定理と不完全性定理とカット除去定理が三つとも載っているようです。…

用語

最近、「複素数平面」を使う人が増えていると思ったら、高校数学の学習指導要領で使われているからなんですね。従来は「複素平面」が絶対多数派だったけど、今の高校数学教科書で育った人たちが大人になると、優位が揺らぐかも。教科書検定ってくだらないと…

用語

もう2年以上悩んでいます。 「必ずしも計算可能でない対象にしかるべき操作を施して計算可能な対象を得ることができる(2009年9月18日訂正)」を表す言葉をどうするか、悩み続けています。今のところ、日本語では「計算可能化可能」、英語では "computabliza…

数学ガール/計算可能性解析学

「微妙だ」とミルカさんが言った。 僕たちの前のカードには、こう書いてある。 を計算可能な閉区間、を計算可能関数とする。このとき、との間にある任意の計算可能実数に対して、ある計算可能実数が存在して、が成り立つ。 「微妙?」テトラちゃんがカードを…

正多面体の頂点の座標

正多面体の頂点の座標を比較的単純なパラメター表示するものがあるかとの質問をみつけました。 http://okwave.jp/qa5151486.htmlちょうどぴったりな論文があります。Peter W. Messer: Closed-Form Expressions for Uniform Polyhedra and Their Duals, Discr…

便利な本 Counterexamples in Topology

Counterexamples in Topology (Dover Books on Mathematics)作者: Lynn Arthur Steen,J. Arthur Seebach Jr.,Mathematics出版社/メーカー: Dover Publications発売日: 1995/09/22メディア: ペーパーバック購入: 5人 クリック: 42回この商品を含むブログ (4件…

不完全性定理への典型的な誤解

「我流でゲーデル解釈」と題するブログ記事をみつけました。 不完全性定理への典型的な誤解の固まりです。ハチャメチャですが、典型的な誤解がこれだけたくさん、しかも、簡潔にまとまっているのは、著者の意図とは無関係に便利なので、紹介します。 構文論…

triakistetrahedron, triakis-tetrahedron, or triakis tetrahedron?

日本語で三方四面体と呼ばれる立体の英語名は、表記が三通りにゆれているみたい。V.Bulatov's Polyhedra Collection は triakistetrahedron、a ride through the polyhedra world は triakis-tetrahedron (一覧より)、MathWorld は triakis tetrahedron。…