具体例?
学生さんにとある証明を解説していたときのことです。
「『PでありQでないものは存在しない』と『Pであるものは必ずQである』は同じことだよね」と説明してもわかってもらえませんでした。そこで、「『タクシー運転手で自動車運転免許を持たない人はいない』と『タクシー運転手はみな自動車運転免許を持っている』は同じことだよね」というと、「エウレカ!」でした。
人間の認知の特性を見たと思いました。
上とは別件で、対象レベルとメタレベルの区別の説明の際に使った例です。
wcコマンドのソースコードのサイズを調べるためにwcコマンドを使って
wc wc.c
を実行した時、実行したwcコマンドにとって wc.c は単なるテキストファイルであって、それがC言語で書かれたプログラムであることも、wcコマンドを実装していることも、知ったこっちゃないよね。「知ったこっちゃない」は否定ではないよね。
情報科学科の学生さんには理解してもらえたけど、数学科に行って同じ説明をして理解してもらえる自信はありません。