和算家と『原論』

エウクレイデス(ユークリッド)の『原論』の漢訳が江戸時代に日本に入ってきたが、和算家たちは興味をもたなかったことが、複数の本で紹介されているのを読みました。たまたまでしょうが、私の読んだ本のいずれも、それを和算の限界を表すものとしていますが、納得しかねます。

江戸時代に日本に入ってきたのって、マテオ・リッチ徐光啓による『幾何原本』ですよね。それって、『原論』の前半だけの抄訳ではないですか。そんなもの読んでも面白くなくて当然です。

和算家たちは悪くありません。全巻の完訳が入ってこなかったのが不運だっただけです。