近似について

いろいろと錯綜してきたので、論点を整理しておきます。

もともとの d:id:quine10:20090422:1240359266

例えば、「πの近似は3(あるいは3.14、さらには3.14159…)である」と述べる場合、πはある種の数値を取るということが前提である(それゆえ先の言葉は意味を持つ)。

とあるのを、哲学的に粗雑であると批判したのが、d:id:wd0:20090424:a です。批判の根拠が、実数πの存在を仮定することなくπの近似を記述することが可能であることです。

それに対する、実在性は論点ではないとの反論が、d:id:quine10:20090428:1240909716 です。

で、d:id:wd0:20090428:a では、「実在性が論点でないなら、それでけっこう」と認めた上で、もともとの d:id:quine10:20090422:1240359266 の主張に瑕疵があることにかわりはないことを説明しました。

というわけで、言及先の方が、πの近似の記述にπの「真の値」への言及が前提であるとの主張を修正するか、あるいは、その主張を守るための再反論をするかのいずれかの反応をしない限り、この続きは実りあるものにならないでしょう。

個人的には、もう飽きているので、このまま終るのも歓迎ですけど。

πの「真の値」に言及することなくπの近似を記述することにどういう意味があるのかのほうに話をむけても、たぶん、おもしろくはならないでしょう。単に、もとの主張への反例であるだけですから。一般に「PにはQが前提である」への反論としては「Rすれば、QすることなくPできる」で十分であり、その場合、Rの価値は無関係です。